スポーツ用品大手、アディダスの女性社員がツイッターに契約スポーツ選手を中傷する内容を投稿し、同社が謝罪する事態になった。最近、ツイッターに従業員が業務内容や顧客のプライバシー情報を投稿して炎上するという騒動が続いているが、一体どうすればいいのか。
この騒動はアディダスの女性新入社員が2011年5月17日深夜に「そいえば今日マイクハーフナーが来た。ビッチを具現化したような女と一緒に来てて、何かお腹大っきい気がしたけど結婚してんの?」と投稿したことから始まった。
アディダス社、チームと選手に謝罪
「マイクハーフナー」とは、Jリーグ1部のヴァンフォーレ甲府のFW、ハーフナー・マイク選手のことで、アディダス社のスパイクを使用している契約選手だ。
同伴した女性まで中傷する内容だったことから、2ちゃんねるですぐ話題になり、「客を何だと思ってるんだ」といった非難が寄せられた。さらに、この社員がアディダスの東京・銀座店に勤めている新入社員であることなどが明らかになった。現在、この社員のツイッターアカウントは削除されている。
アディダスジャパンは19日、サイト上に謝罪文を掲載、「同選手、同選手のご家族をはじめ関係者の皆様及びお客様には多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます」と謝った。
アディダスジャパン広報部によると、19日に社内で発覚。投稿したのは同社の社員であることに間違いなく、20日にはチームとハーフナー選手に謝罪したという。
ガイドラインを設けて研修しているが…
また、同社でツイッターやブログ、SNSに業務内容などを投稿してはいけないといった内容を含む、「ソーシャルメディアガイドライン」を設けていて、入社時にはこれに基づき研修が行われている。今回の事件を受けて、ガイドラインの内容を改め、再発防止に努めるとしている。投稿した女性社員については「厳格な処分にしているが、それ以上のことは公表していない」ということだった。
今回と似たようなケースでは、2011年1月、都内の高級ホテルの飲食店のアルバイト従業員が、Jリーグの著名選手と人気女性モデルが2人で来店したとツイッターに投稿。ネット中で騒ぎになり、ホテル側は謝罪した。
なぜ同じようなことが繰り返し起きるのか。ITジャーナリストの井上トシユキさんは
「何かあると黙っていられない人にとってはツイッターはとても親和性の高いツールなんですよね。自分の友達だけに見られているという感覚なのでしょう。学園祭ノリで何でもいいからはしゃぎたいんですよ」
今回アディダス社はネットに関するガイドラインを社内に設けていたにも関わらずこのような事態になってしまったが、井上さんは
「通常の面接では、ツイッターに投稿しちゃう人がどうかなんてことは分かりませんし、研修しても駄目となると、これはもう企業にとってはほとんど事故に遭っちゃうようなもんですよね。投稿する人だって、こういうことがあると自分のキャリアが駄目になってしまう可能性がある。ネットは危険です。おしゃべりな人、黙っていられない人はツイッターをやめた方がいいぐらいですよ。自分も不安なので、ツイッターやSNS、ブログはここ数年やっていません」
と話している。