このままだとファーム落ち、トレード、途中解雇?
松井は6月12日で37歳になる。大ベテランの年齢だ。残念ながら衰えを感じ、考える日々だろう。
「ゴジはね、二線級のピッチャーはしっかりと打つバッターなんだよ。だから打率も安定していた。成績が振るわないのは、そのお得意さんを打てないからで、やっぱり年齢かな、と思うね」
巨人時代の同僚はそう見ている。反射神経が鈍くなるのは仕方ないが、松井のバッティングはイチローのように融通の利く打ち方ではないから、振りが鈍くなったらかなり苦しむ。
打率が上がらず、ホームランも不発が続くようだと、厳しい措置が待っている。ファーム落ち、あるいはトレード、さらに途中解雇…など。大リーグは日本のように過去の成績にこだわらない。そのときの状態で判断される。
松井はワールドシリーズでMVPになりながら、ヤンキースから契約の話はなかった。どんなスター選手でも売られていく例は数多くある。野茂英雄もそうだった。
「アスレチックスは厳しい経営をすることで有名。スパッとやることはなんとも思っていない」
大リーグ記者からそういう話をよく聞く。安い契約金で選手を取り、育てて高く売る商法を得意とする球団だ。年俸に見合わなければ非常手段に出てくる。松井は気温の上昇とともに調子が上がるタイプなのでこれからに期待できる。持ち前の勝負強さを早く発揮しないと…。(スポーツジャーナリスト・菅谷 齊 敬称略)