1か月遅れの卒業式 支援に感謝のことば【宮城・南三陸】

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被災地の卒業生に贈り物

   4月29日、宮城県南三陸町の伊里前(いさとまえ)小学校で、1か月遅れの卒業式が開かれました。卒業するのは伊里前小学校の生徒と、2kmほど離れたところにある名足小学校の生徒、合わせて約40名です。太平洋に臨む名足小学校は津波の被害が大きく、母校で卒業式を開催することができないため、伊里前小学校での卒業式となりました。難民を助ける会の職員はこの卒業式に招かれ、卒業生全員に記念としてぬいぐるみとお菓子を贈りました。

   伊里前小学校の卒業式が済むと、先生は生徒たちを校庭に連れて行きました。眼下には津波によって壊滅的な被害を受けた伊里前と歌津の街が広がっています。

   「この光景を決して忘れないこと。ここは君たちの町。君たち自身が再建していかなければならない。」先生は卒業生たちにそう伝えました。

   卒業式の後、難民を助ける会とピースプロジェクトは隣の歌津中学校で炊き出しを行いました。ここでは約250人が避難生活を送っており、その中には伊里前小学校の卒業生もいます。炊き出しの献立は、卒業祝いとしてステーキ、ミネストローネ、おでんという豪華版です。

   生徒の一人は卒業式でこう語りました。「僕は震災以来ずっとおびえていました。でも、数日後、ボランティアの人たちが来て、支援物資も届き、助けられました。中学生になったら今度は僕が、おびえている人たちを助けてあげたい。」未来に向けて踏み出した若者たち。道のりは長いかもしれませんが、復興への歩みは始まっています。

(難民を助ける会)

卒業生にリラックマのぬいぐるみをプレゼント。左は難民を助け<br />る会の副島知哉(宮城県南三陸町、4月29日、川畑嘉文撮影)
卒業生にリラックマのぬいぐるみをプレゼント。左は難民を助け
る会の副島知哉(宮城県南三陸町、4月29日、川畑嘉文撮影)
この光景を胸に刻み、巣立ってゆく卒業生たち<br />(宮城県南三陸町、4月29日、川畑嘉文撮影)
この光景を胸に刻み、巣立ってゆく卒業生たち
(宮城県南三陸町、4月29日、川畑嘉文撮影)
歌津中学校避難所でステーキの炊き出し<br />(宮城県南三陸町、4月29日、川畑嘉文撮影)
歌津中学校避難所でステーキの炊き出し
(宮城県南三陸町、4月29日、川畑嘉文撮影)
卒業おめでとうございます<br />(宮城県南三陸町、4月29日、川畑嘉文撮影)
卒業おめでとうございます
(宮城県南三陸町、4月29日、川畑嘉文撮影)

【お知らせ】
東日本大震災・緊急支援 チャリティコンサートを開催します。
収益は、東日本大震災で被災した方々の支援活動に充てさせていただきます。多くの皆さまのご来場をお待ちしております。
日時:5月21日(土)午後2時開演
会場:学習院女子大学 やわらぎホール
出演:加藤タキ(司会)・サパトス(木村純、三四朗)・鈴木厚志(ピアノ)
詳細はこちらから
http://www.aarjapan.gr.jp/join/event/2011/0521_500.html



認定NPO法人 難民を助ける会
1979年、インドシナ難民を支援するために、政治・思想・宗教に偏らない市民団 体として日本で設立された国際NGOです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、地震発生当日より活動を開始。宮城県仙台市と岩手県盛岡市に事務所を構え、緊急・復興支援を行っています。
活動にあたっては、特に支援から取り残されがちな障害者や高齢者、在宅避難者、離島の住民などを重点的に支援しています。食料や家電などの物資の配布、炊き出し、医師と看護師による巡回診療など、多面的な活動を続けています。
■ホームページ http://www.aarjapan.gr.jp
■ツイッター  http://twitter.com/aarjapan

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