「ユッケ280円」安過ぎないか 「消費者は疑うべき」との声

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   焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」のユッケ食中毒事件をめぐり、運営会社「フーズ・フォーラス」と食肉卸業者「大和屋商店」が責任をなすりつけ合う状況が続いている。

   そんな中、「ユッケ280円はさすがにありえない安さだ」という声が大きい。ここまでの安さは本来、実現可能なのか。

「A3クラス和牛のモモ肉なら安くても700円以上」

   有名チェーンのユッケの価格を見ると、「安楽亭」は1皿750円、「牛繁」は690円、「牛角」では表面に火を通した「タタキ風」が590円となっていた。いずれも事件後に販売を自粛している。それらに比べると焼肉酒家えびすの280円は圧倒的に安い。

   各社の報道では、細菌を取り除くために肉の表面を削る「トリミング」作業を行わず、細菌検査もしていなかったなど、フーズ・フォーラスの不十分な安全管理、過剰なコスト削減が指摘されている。

   5月10日放送のフジテレビ系「とくダネ!」では、えびす関係者の「ユッケは和牛だけど乳牛のを使っていると聞いた」という証言を紹介。また、大和屋商店が食中毒直前の4月中旬、ユッケなど生食には適さない「廃用牛」を仕入れていたという仕入れ先の話も併せて紹介している。

   5月20日号の週刊ポストには、次のような食肉流通業者の話がある。

「中堅以下やチェーン店ではモモ肉を使うケースが多い。(標準的とされる)A3クラス和牛のモモ肉は卸価格で1kg当たり2000円程度ですが、肉の表面部分は菌が付着しているので捨てなければならず、実際に使える部分は少ない。一皿(60~80g)なら、安くても700円以上になる。280円で出していたとしたら大赤字」
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