焼肉店のユッケ食中毒事件で4人の死者が出る中、オーナーとして焼肉店を経営するフリーアナウンサーの小倉智昭さんがテレビ番組で、「焼肉よりもフグで死ぬ人の方が多い」と発言し、ネット上で非難が殺到している。
2011年5月6日放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)で、事件のあった「焼肉酒家えびす」(フーズ・フォーラス)の衛生管理状態が特集された。
「基準が決まったって必ず食中毒は起こる」
そこで、今回の事件を受けて厚労省が生食用の牛肉に、罰則を伴う新たな規格基準を定めようとしていることが触れられ、小倉さんが、
「基準が決まったって必ず食中毒は起こる。焼肉食べて中毒で死ぬ人よりも、フグの毒で死んじゃう人の方が、年間にしたら多いんじゃないか。だったらフグなんかも全部やめなきゃいけないみたいに、そっちの方に全部傾いていったら食べるもんなくなっちゃう。簡単に数値に置き換えて規制するって問題じゃない」
とコメントした。
「えびす」での死者は2011年5月9日現在4人。一方で、厚生労働省によると2003年から08年にかけてはフグの中毒による死者は年間1~3人。しかし、09年は0人。10年も、27件の中毒事件があったが死者はいなかった。
また、本場、山口県のHPによると、フグ中毒のほとんどが釣りや譲り受けで入手したフグを自家調理して食べることが原因だといい、焼肉店での食中毒と同列に扱うのは少し無理がありそうだ。
経営店舗の隠れ人気メニュー1位が「和牛たたきのユッケ」
小倉さんは、これ以外にも「毎日毎日、加工、小売りで細菌チェックをすれば安全に越したことはないが、現実問題、むずかしい。焼肉も高くなりますよね」などと発言。
生食肉の新基準設定が受け入れがたい様子だが、実は小倉さん自身も焼肉店を経営している。
都内にある「炙りや なかむら」という店で、「ぐるなび」に掲載されている店舗情報によると、隠れ人気メニュー1位が「和牛たたきのユッケ」なのだという。「ユッケ好きに是非!」とプッシュされているが、現在は事件の影響か、ランキング上から消えている。
ネット上ではこうしたことが指摘され、小倉さんの発言に非難が殺到している。
「ひどい自己弁護だ」「じゃあユッケも免許制にしないと」
「焼肉店経営してるなら、うちの店を始め、他の店はきちんとやってきたって言うべき」
といった書き込みがツイッターや2ちゃんねるに寄せられている。