焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」で起きた集団食中毒で、2011年5月5日に4人目の死者が確認されるなど波紋が広がっている。これを受けて、ほかの焼肉店では、ユッケの販売を見合わせる動きが出ている。
4月27日、福井市内にある福井淵店で食事をした男児が、病原性大腸菌O111に感染し死亡した。同じ日、富山県にある砺波店でも、男女5人が食中毒の症状を訴えたことがわかった。
生肉の汚染の経路はわかっていない
被害はこれだけにとどまらない。4月29日、砺波店で食事をした6歳男児が、やはり病原性大腸菌O111に感染し死亡。5月3日には、神奈川県横浜市と藤沢市の系列店を利用した男女6人が下痢などの症状を訴えた。また、5月4日には入院していた40代女性の死亡が、5月5日には70代女性の死亡がそれぞれ確認された。同チェーン店で飲食して死亡した人は4人となり、食中毒の疑いがある症状を訴える人は富山県、福井県、神奈川県であわせて60人以上が出ている。
運営会社フーズ・フォーラスの勘坂康弘社長は2011年4月29日と5月2日、集団食中毒について謝罪し、グループ全店舗の営業を停止した。生肉の汚染の経路は現段階で不明だが、朝日新聞は5月5日付けの記事で、食肉の汚染が「食肉卸売業者から仕入れる前の段階」である可能性も指摘している。