福島第一原発の事故以降、福島県内の旅館・ホテルへの宿泊予約をキャンセルした客は延べ約68万人、金額にして74億円に上っていることが県旅館ホテル生活衛生同業組合の調査で4月25日わかった。組合は少なくとも秋まで新規予約が見込めないとみている。福島民報が報じた。
4月17日に東電が原子炉安定までの工程表を発表、原子炉の安定に6~9か月かかると発表すると、解約は秋の行楽シーズンまで拡大した。観光客の予約はほぼなくなったという。
いわき市の温泉地の旅館経営者は「放射能が怖いと言われた。今後、客は来るのか」と危機感をあらわにした。郡山市磐梯熱海温泉で旅館業を営む菅野豊理事長は「風評被害の補償は当然。国や県などに風評被害の沈静化に向けた支援を求める」と話している。