首都圏でも直下型地震? 警戒時期に入ったのか

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   東日本を中心に余震がいまも頻発している中で、首都圏でも大規模な地震が起きる可能性を指摘する専門家もいる。M7.3規模の地震が東京で起きた場合のシミュレーションでは、1万1000人の死者、21万人の負傷者を想定している。

   三陸沖を震源とする東日本大震から2011年4月25日で1か月以上が経つが、M5.0以上の余震は400回以上を記録している。3月12日は長野県北部でM6.7、3月15日は静岡県東部でM6.4、4月11日は福島県浜通りでM7.0など、本震から離れた場所でも大規模な地震が起きた。4月21日にはM6.0の地震が千葉県東方沖であった。

余震以外での大規模地震「否定できない」

   気象庁は、茨城県南部で4月16日に起きたM5.9の地震について、「余震域から外れている」とし、余震以外での大規模地震の可能性も「否定できない」とした。本震により地殻が動いたことから、新たな余震を誘発している可能性も指摘されている。

   そうした中で、首都圏における大規模な地震への警戒も出始めている。「週刊朝日」(4月29日号)では「首都圏直下大地震の戦慄」と題した記事を掲載した。故・溝上恵東京大学名誉教授(享年73歳)が生前に指摘してきた、茨城県沖、茨城県南部での地震の多発からの首都圏直下型地震がくる可能性を検証している。

   八木勇治筑波大学准教授(地震学)は4月19日放送のTBS系情報番組「ひるおび!」に出演した際、「(本震の)震源域とは違う領域でも地震が発生している。震源域があまりにも広いために、広範囲で誘発される地震が起きている。そういった意味で、東京も例外ではないかもしれない」と話した。

   また、かつて直下型地震の被害想定について取材経験のある経済学者・池田信夫氏もブログ(4月2日付)で、「東京に地震が来たら」と題した記事を公開。地震が起きた場合の問題点を指摘する中で、「東京は直下型地震を警戒する時期に入ったと思う」と警鐘を鳴らしている。

「東京は火災リスクが非常に高い」

   首都圏で直下型の地震が起きた場合のシミュレーションもある。2005年に中央防災会議・首都直下地震対策専門調査会が発表した「首都直下地震の被害想定」によると、震源地を東京湾北部するマグニチュード7.3(冬夕方18時)とした場合、死者1万1000人、負傷者21万人と試算されている。揺れによる建物全壊が15万棟、火災による消失は65万棟。首都の経済中枢機能や交通ネットワーク機能への支障が出て、経済被害は実に約112兆円にものぼるという。

   防災に詳しい東京大学・廣井悠助教(都市工学専攻)は「東京は火災リスクが非常に高いと言える。震災が起きたときには、消防が不足する可能性も考えられる。地震で出火点が多くなると、消防車が現場に向かえないケースも出る」と言う。ちなみに、火災については初期消火が非常に大切で、火が燃え盛った場合は逃げるしかない。

   また、シミュレーションではM7.3の地震が前提だが、東日本大震災を踏まえ、M9.0レベルの地震を想定した方がいいのではないか。これについて廣井氏は、次のように指摘する。

「シミュレーションには2つの観点――地震の規模や場所の想定、そして地震が起きた後にどういう被害が起こるかの想定――がある。規模等についてはたしかに再考の余地があるかもしれないが、東京で大地震が起きた場合の被害は想定されているだけでも大きな数値。大事なのは、どうやって想定されている被害を最小化させるか(リスクコントロール)、もう一つは想定以上の災害が起きた場合にどう対応するかだ。たとえば、地震で行政が機能不全に陥ったとしたら、その時にどうするのか。現段階で想定される被害以上のことが起きた場合を考えておく余地はあるだろう」
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