東京証券取引所が、夏のクールビズを一歩進めた「節電ビズ」を取り入れる。東京電力の福島原発事故の影響で、2011年夏はオフィスも家庭も、とにかく節電に協力するしかない。
オフィスでは例年よりも空調の温度を高めに設定して協力。それに伴って、職場での服装のカジュアル化をもう一段進めようというのが「節電ビズ」だ。東証はポロシャツもOKというが、インターネットではTシャツは? 短パンは? どこまで許される? と盛り上がっている。
襟付き半袖シャツはOK!
「節電ビズ」の服装について、東証は「ポロシャツなどの襟付きの半袖シャツであれば大丈夫です」と話す。ただ、「Tシャツはちょっと…」という。
東証ではこれまで、毎週金曜日を「カジュアルフライデー」としてノーネクタイでの出勤を認めてきた。とはいえ、クールビズでもノーネクタイは認めていたが、ジャケットなどの着用が基本。女性も「オフィスにふさわしい、華美にならないような服装」と、「常識の範囲内」を強調していた。
今回の「節電ビズ」もカジュアルフライデーの服装に準じていて、「少なくとも、接客時に相手が不快に思うような服装は好ましくありませんから」と話す。東証としては、「ポロシャツOK」でも大きな前進といえそうだ。
襟付きの半袖シャツはクールビズの広がりで、ボタンダウンや開襟シャツなど、おしゃれなものが増えた。微妙なのが「かりゆしウェア」だ。沖縄県では「正装」といわれるが、東証は「アロハシャツも含め、ビジネスウェアとして相応しいとは言いづらく、受け入れられません」と話す。
何事にもカッチリしている金融業界に比べると、カジュアルな服装で働く人が少なくないのが広告業界。電通総研・消費の未来研究部の四元正弘部長は、「業界を問わず、今年はTシャツはOKじゃないですか」と話す。
真っ白は下着みたいなので、多少柄が入って、見た目に涼しげ、清潔感がある服装であれば受け入れられるとみている。
広告業界でも短パンはNO?
「短パン」はどうか。前出の電通総研の四元氏は、「ふだんから電通は比較的カジュアルな服装を認めていますが、さすがにクリエーターでも短パンはいません。スネ毛はいただけません」と、ダメ出しする。
「節電ビズ」といっても明確な基準はない。結局のところ、ポロシャツにチノパンといったあたりに落ち着いてしまいそうで、そうなると、カジュアル化が進んでいる広告業界などでは、現状とあまり変わりばえしなくなる。
しかし、四元部長は「新しいことを取り入れていくのはいつも若い人たちです。中高年や女性の多くは仲間はずれになりたくないとの思いが働くので、周囲のようすを見ながら『ここまでは許されそうだ』と判断します。中高年男性はゴルフスタイルが増えるかも。Tシャツ出勤も若者のあいだで広がれば、増えるかもしれません」とも話している。