「人類共通の災害だ」 日本への同情示す中国メディア

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   2011年4月11日に東日本大地震が発生して一か月たった。中国では日本の地震、原発事故には関心が高く、テレビを中心に多くの報道が行われた。

   現場での復興活動が中心で、「日本で起こった地震災害は、人類共通の災害だ」と中央テレビは繰り返した。

NHK番組の垂れ流しから特派員の報告へ変化

   中央テレビを見ると、地震当初はNHK番組の垂れ流しだったが、徐々に日本に大量の記者を派遣したため、現場で取材した映像、日本にいる中国人の学者、または中国語を話せる日本のマスコミ関係者、さらに通訳をつかって日本の専門家を取材する映像を中央テレビで放映するようになった。

   「日本は地震の国で、日頃訓練もしているので、地震に対しては非常に冷静だ」と朱建栄東洋学園大教授は強調した。

   交通信号のない十字路でもほとんどクラクションが聞こえない。みんな秩序よく路を通っていく映像がテレビに映る。

   日本のテレビから取ったものだろうが、爆発の後の無残な原発建屋は放映しているが、低レベルの汚染水を海に放出したことについては、とくに厳しく東電を批判しているわけではない。

   「冷却システムはいまだに十分機能していないのだろう。絶えず新しい水を炉内に注入している。海に流れることもあるだろう」と原子力の専門家がテレビで発言する。

   政府関係者は、海の汚染について、検査の結果、今のところ中国には大きな影響はないと話す。「やはり日本政府は中国にも事前に知らせるべきだ」というテレビのタレントの一言だけでこの問題にけりをつけた。

「中国にいながら日本政治家の行動を批判してはいけない」

   大地震が発生してから一か月たち、菅内閣への不信感を示した日本のマスコミの報道を、中国のインターネットでも転載するようになった。

「私たちは中国にいながら日本政治家の行動を批判したりしてはいけない。また日本の事故処理、復興活動をかく乱するような行動をしてはいけない。ただし、日本のマスコミが菅内閣を批判するような記事も作者の同意を得て翻訳して掲載している」

と週刊誌経済観察報のウェブサイトの責任者は言う。

   日本の週刊誌編集長による、菅内閣を痛烈に批判する記事は同ウェブサイトには出ている。しかし、中国人記者の書いた記事は、どちらかといえば日本に同情するような内容ばかりだ。

   ただし、人気週刊誌の『南方週末』の国際面担当デスクは、

「14日に出る新聞は民主党内閣の欠点にも触れていく」

と明かす。

   また同じく人気経済週刊誌の『中国経営報』は、

「日本の技術はいままで非常に信頼されていた。その日本にこんな大きな原子力発関連の事故が起こり、またほとんど制御不能のように感じる。なぜ日本はここまでダメになったのかを分析してみたい」

と語る。18日の週に出る号はそのあたりが盛り込まれる予定だ。

   いままでは「日本で起こった地震災害は、人類共通の災害」というスタンスを中国のマスコミは取っていた。国内で大地震が起きたのとほぼ同様な報道の仕方だ。日本国内での民主党政権批判報道も中国には入ってきている。中国の東日本大地震、原発事故についての同情的な態度は、ずっと不変とは限らない。それが変わると、一斉に日本批判に変わるかもしれない。

   日中のコミュニケーションはますます重要になってくる。

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