菅直人首相は2011年4月12日、記者会見を開き、福島第1原発事故の対応や統一地方選前半の民主党大敗をめぐり与野党から退陣論が高まっていることについて、辞任を否定した。
会見は東日本大震災の発生から1か月がたった4月11日夕方に予定されていたが、同日午後の余震で翌日に延期されていた。統一地方選については、
「厳しい結果だったことは真摯に受け止めたい。責任については、後半が終わった上で改めて党でしっかりと検証する」
と辞任を否定。産経新聞の阿比留瑠比記者が
「現実問題として、与野党協議の最大の障害になっているのが総理の存在であり、後手後手にまわった震災対応でも、総理の存在自体が国民にとっての不安材料になっている。一体何のために、その地位にしがみついているのか、考えを聞かせてほしい」
と批判を展開すると、
「阿比留さんのものの考え方がそうだということと、私が客観的にそうだということは、必ずしも一致しないと思う」
「私とあなたのものの見方は、かなり違っているとしか申し上げようがない」
と、不快感をあらわにした。
この日の会見では、菅首相は冒頭に
「いよいよ復旧に入らなければならない。そして復興に向かわなければならない」
と述べ、震災への対応が新たな段階に入ったことを強調。前日までは確認できた国旗の喪章も取り外されていた。