福島県災害ボランティアセンターにボランティア受け入れの現状を聞いてみた。
2011年4月12日現在、福島県内の市町村で県外からのボランティアを受け入れているところは少ない。ほとんどがボランティア参加の条件を「通える範囲の方」と限定しているのだが、これは県外の人を排除しているのではないという。センターの担当者は「ホテルなどの宿泊先を自分で確保して、そこから通ってくる方は受け入れています」と説明する。
「通える範囲の方」を条件にしているのは、「県外ボランティア受け入れ可」と発表してしまうと、いきなり災害ボランティアセンターを訪れて宿泊先の手配を要求してくるボランティアもいて、対応に苦慮するからだという。「じゃあなんで県外可と書いたんだ、と言われて困ってしまうんです」と担当者も困惑顔だ。
さらに、食料・ガソリンの問題もある。再開するスーパーなどは増えてきたが、まだ供給が十分ではない。ボランティア参加者が買ってしまっては地元の人に行き渡らなくなる。ガソリンも同様だ。「ガソリンスタンドになんで県外ナンバーの車が並んでいるんだ」と苦情を受けたこともあったといい、こうした状況をふまえ、「県外受け入れ可」とは積極的に公表できないでいる。
一方で、しっかり態勢を整えて支援活動に臨んでいる県外ボランティアが多数活躍していることもあり、県外ボランティアにかける期待が大きいのも事実だ。
ちなみに、ボランティア参加者の心構えについては、全国社会福祉協議会が、災害救援ボランティア活動に参加する際の基本的な注意事項10項目を公開しており、まずはそれを守ることが基本となる。http://www.shakyo.or.jp/saigai/katudou.html