震災で廃業や引退決める漁業関係者
すでに中国では、岩手産アワビが入手できない影響が出始めている模様だ。香港の高級広東料理店には使用しているアワビのほとんどを吉浜産に頼っていた店が多いという。そのせいもあって困惑しているようだ。
日本ではどうか。アワビのメニューがある中華料理店に聞いてみたが、岩手産アワビの使用の有無については回答してもらえなかった。ただ、広東料理のレストランの中には、ウェブサイト上に東日本大震災の影響で食材の調達が困難になる可能性を示しているところもある。高級店であれば材料も一級品を使っていると思われ、影響が出ている店があるかもしれない。
三陸沿岸の復旧が進んでも、漁業が元通りになるかは不明だ。一部報道によると漁業関係者の中には、船や漁具が津波で役立たずになり、資金面を考えてやむなく廃業を決めた人や、高齢を理由に「引退」を余儀なくされた人もいる。岩手のアワビ漁が震災前のように「日本一」へと戻るには時間がかかりそうだ。