大きな揺れに不安、そして停電  湾岸マンション人気に陰り

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   東日本大震災の影響で、東京湾岸エリアに立ち並ぶ高層マンションの人気に陰りが見えてきた。原因は、停電と揺れ。地震当日の大きな揺れに「恐ろしくなった」という人や、東京電力による計画停電では高層階に住む人がエレベーターの停止を心配して「引っ越したい」と頭を抱える。

   首都圏マンションの売れ行きはリーマン・ショック後の消費不況から、ようやく立ち直りかけていた。なかでも湾岸エリアは「職住接近」や、海が見えるロケーションのよさから好調だった。

高層マンションの耐震性は向上している

湾岸マンションの人気は低下する?
湾岸マンションの人気は低下する?

   液状化現象の激しい千葉県浦安市新町地域(海側の埋立地)に建つ高層マンション「パークシティ東京ベイ新浦安」(2005年竣工)。このマンションでは、建物への被害はまったくといっていいほどなかった。

   また、豊洲(東京都江東区)界隈の高層マンションでも、電気やガス、水道は普段どおりに使えるそうで、高層住宅管理業協会は「湾岸エリアのタワーマンションは自家発電機を備えているので、大きなトラブルはなかったと聞いています」と話す。

   心配された液状化現象も一部でしか見られず、みずほ証券チーフ不動産アナリストの石澤卓志氏は「建築に際して地盤を改良して、盛り土などを行ったことが影響していると思われます」と推察している。

   石澤氏は「今回の震災で建物の耐震性が向上していることははっきりしました」と話す。

   ただ、液状化現象が起きても、建物は耐えたが、ガスや電気、下水道に影響が出たマンションも一部にはあるようだ。

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