福島第一原発の事故に伴う出荷停止や風評被害に対する補償問題で、農林水産省は(1)農協系金融機関が農家に無利子融資を実施する、(2)その後農協が東京電力に賠償請求を行う、という仕組みで調整を進めている。鹿野道彦農水相が2011年3月31日夜の記者会見で明らかにした。
東北関東大震災で被災した農家への「つなぎ融資」として、JAグループは2000~3000億円の無利子融資を用意する方向で検討に入っている。農林中央金庫や自治体などが全額利子補てんするほか、JAも農家が購入した飼料や肥料、農薬代などの支払期限の延長などに対応する。
「つなぎ融資」のうち、原発事故で被害を受けた農家には原子力賠償法による補償が適用される見込みだが、手続きに時間がかかるため、JAグループがまとめて東電に請求する仕組みで農家の資金繰りを支える。