増産で出荷量が数百パーセントアップ
横浜市にあるスーパーでは、ヨーグルトが軒並み売り切れている中、ひとつのメーカーの商品だけが豊富に販売されていた。広島県のメーカー「チチヤス」の製品だ。チチヤス広報に聞くと、生産工場の場所は広島で、原料となる「乳」は中国地方や九州地方から手配しているため、震災の打撃は一切ないという。もともと東京も商圏としている同社だが、首都圏でヨーグルトの品薄が続くため、「少しでも消費者に行き渡るように」と生産効率をアップし、関東向けの出荷を増やしているようだ。
鳥取県の大山乳業農業協同組合は、販売エリアが西日本中心だが、関東では唯一、あるスーパーチェーン店が同組合の牛乳やヨーグルトを取り扱っている。広報担当者に聞いたところ、既存の市場への商品供給態勢を維持しつつ首都圏への出荷を増やすために牛乳の生産量を増やし、最近では出荷量が「数百パーセント伸びました」という。
しかし、喜んでばかりもいられないようだ。紙容器が入手困難になっているという悩みは、チチヤスをはじめ他の乳業メーカーに共通している。紙自体が不足しているため、対応できる容器メーカーも多くはない。牛乳やヨーグルトの品薄が完全解決するには、時間がかかる可能性もある。