プロのマジシャンが東日本大震災の被災地の子供達にトランプを届けようと、全国のプロマジシャンに対し、手品で使用済みのトランプを送って欲しい、と呼び掛けている。
プロのマジシャンはトランプを100個ほど所有しているため、新品を送ってもらってもいいのだが、手品に1回使用したものについては捨ててしまうことが多い。そのトランプは汚れているわけではないので、遊びに使うのには何の問題もないから送って欲しい、というのだ。
被災地にトランプを送ろうと呼び掛けているのは岡山県のマジシャン派遣事務所・マジックポットに所属する東邦さん。被災地で暮らす子供達の姿を知った東邦さんは、自分がこうした子供達の力になれないか考えた。
1995年に起きた阪神淡路大震災の時に、任天堂が携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」5000台と、トランプ3000個を子供達に提供、大変喜ばれたことを知って、今度はマジシャンである自分が商売道具であるトランプを送ることを思いついた。
子供と大人の交流も広がっていく
トランプを被災地に送る「ミリオンカードプロジェクト」を立ち上げたのは2011年3月16日。19日から「ツイッター」などインターネットを使って全国のプロマジシャンに対し、まず、「使用済みのトランプを捨てないで溜めておいて」と呼び掛けた。トランプの送り先はマジックポット。ただしジャンボカードや、マンモスカード、ギミックカードは不可だという。
東邦さんは、被災地の子供達もやがて何か楽しめるものが欲しくなってくるのではないか、とし、こう話した。
「苦しい避難生活の中で、子供達が笑顔になれるような支援がしたいと思いました。そしてトランプは、大人が子供達に遊び方を教えるなど交流を広げることができます」
被災地にトランプを送る時期については状況を見ながら判断するという。