「同じCMが繰り返し放送されて不愉快」などと一部で指摘されているACジャパンの広告の枠を、災害関連の政府広報に利用できないかという構想が国会内で浮上している。
だが、政府広報をめぐっては、「税金でCMを投入してテレビ局や新聞社を事実上支援している」との声も根強く、実現に向けては紆余曲折がありそうだ。
「もっと流すことがあるだろう」
今回の構想が浮上したのは、2011年3月22日の衆院財務金融委員会だ。自民党の後藤田正純衆院議員が、東北関東大震災を受けての政府の対応を質す中で、
「コマーシャルを見ても、ACのコマーシャルを何度も何度も流されて、『もっと流すことがあるだろう』と(思う)。節電の問題は然り、被災地域に対しての配慮、風評被害の問題など、被災地域に伝える努力をもっとしたほうがいい」
と、特に手形・保険などに関する金融分野についての広報強化を求めた。翌3月23日にも、後藤田氏は
「皆さんも感じていると思いますよ。テレビを見ていると、ACのコマーシャルが目につく。もうね、私も覚えちゃいましたよ。『心は見えないけど、心がけ』」
と、CMのフレーズを引用。議場内の苦笑をさそった。
さらに、
「『金融がこういうことをやっている』『こういう支援を国がやっている』ということも言わないといけないし、停電・節約の話をね、どんどんテレビでやるべきですよ。そして、先ほど柳田さん(柳田和己衆院議員)がおっしゃったような風評被害の問題も、コマーシャルでやるべきですよ。『官邸は何やってるんだ』って僕は言いたい」
と、官邸批判を展開。