野菜や牛乳の放射能汚染 いまのところは大丈夫だが…

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さらに高濃度汚染の懸念

   もう1人の講演者の有冨正憲・東京工業大学原子炉研究所長は「原発の被害は地震でなく、想定外の津波のせい」と指摘した。非常用電源や海水取り入れ装置が失われ、稼働中の原発が燃料プールの冷却が不能になったためで、格納容器内の圧力を逃がすための蒸気放出や建屋の爆発で放射性物質が大気中に出た。有冨さんは「細部は不明だが、回復作業の結果、徐々に機能が戻ってきつつある」との見解を示した。

   滝澤さんの解説のように、食品汚染の程度は現段階では心配はない。しかし、23日には野菜類の放射能値は高くなり、水や大気からも検出されている。原発が完全に停止していないため、放射性物質が今後も流出する可能性が高く、広い範囲の食品がさらに高濃度に汚染する懸念がある。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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