プロ野球セ・リーグの公式戦開幕が予定通り2011年3月25日に決まったことを受けて、文部科学省が東京電力・東北電力管轄内でのナイター開催を慎むように求めたり、プロ野球選手会からも「待った」がかかったりと混乱が続いている。インターネット上でも、開幕に「反対」する声が多かった。
文部科学省は3月18日、日本野球機構の加藤良三会長に宛て、「東北地方太平洋沖地震に伴う協力のお願い」を出した。地震による電力の供給力不足が発生している中で、関東では計画停電が実施され、大規模停電を回避するための節電努力が続いている。
新井貴浩・選手会会長「延期すべきである」
こうした状況の中で、文科省は、電力の安定供給ができるまで試合は、東京電力・東北電力管内以外の地域で開催することを「可能な限りの努力」として求め、とりわけ夜間の試合開催については「厳に慎むよう」に要請した。これに対して、NPB側は3月17日の段階で、電力消費の問題を含めて、「政府、監督官庁などの指示に従う」としていることから、日程変更の可能性もありそうだ。
日本プロ野球選手会も3月18日、新井貴浩会長による「セ・リーグ3月25日開幕決定についての見解」に関する声明として、「(セ開幕戦は)延期すべきである」との要望を出した。震災の被害状況がいまだ全貌を把握できない段階にあり、かつ福島第1原子力発電所の災害が進行中であること。また、節電が行われている事情があることから、一般家庭の数千世帯分の電力を消費するナイターには疑問がある、とした。
選手会の要望としては開幕の延期だが、開幕が強行されたとしてもナイターの実施については再考し、電力事情や安全面を配慮したデーゲームでの開催を検討すべきことを求めている。要望が理解されない場合、選手たちからは開幕試合に協力できないという意見があり、意志決定の議論が必要になりかねない、と発表している。