ペットショップの深夜営業を規制しようという動きが出ている。環境省の小委員会では現在検討が進められていて早ければ2011年中にも法律の改正案がまとまり、12年1月の通常国会で審議される見込みだ。ただし、営業や販売の自由を奪うことになるとの懸念もあり実際にどうなるかは不透明だ。
深夜営業を規制する動きが出ているのは、販売されている犬や猫がかわいそうだという動物愛護団体や実際に販売されている状況を見た消費者からの訴え。動物が眠る時間なのに照明を当てられ音楽が流れる場所に置かれているのは動物愛護法に抵触するのではないか、というものだった。
「医学的根拠」や「営業の自由」が論点
環境省の動物愛護管理室によれば、10年6月から18人の有識者を集めた「動物愛護管理のあり方検討小委員会」を発足。12年度の通常国会で動物愛護法の改正を目指してきた。その中で出た議論の一つがペットショップの深夜営業についてだった。深夜営業だけでなく早朝6時まで店を開いているところもある。売られているのが子犬や子猫が大半で健康面や成長の妨げになり動物愛護法に抵触するのではないか、というものだ。犬や猫だけではなく、ウサギやハムスター、カブトムシなどの昆虫も同様だという意見も出た。
「深夜販売は禁止すべきで、営業時間は夜8時までとする」などという意見も出た。おそらく動物愛護法の改正案がまとまるのは今年の11月から12月ではないかと環境省では予想している。
ただしそう簡単には深夜営業の廃止が決まらないようだ。というのも理由としては深夜営業によって動物が受けるダメージに関し医学的にも科学的にも証明されていないこと。また、深夜営業業者にも販売の自由や流通の自由が保障されているため、反発は避けられないなどの理由からだ。