癒し系クマの大人気キャラクター「リラックマ」のパチスロ機が2011年4月からパチンコ店に設置されるが、「リラックマ」の生みの親でイラストレーターのコンドウアキさんが自身のブログや「ツイッター」で、こうした事実を自分は全く知らされておらず、「リラックマ」のイメージとかけ離れた起用でファンにショックを与えてしまった、として謝罪した。
版権元のサンエックスはなぜこのような事態になってしまったのか、について口を閉ざしている。
「キャラクターのイメージを大切にしてほしい」
「リラックマ」はコンドウさんがサンエックスの社員だった03年に生み出したキャラクターで、これまで絵本や漫画が出版され、ぬいぐるみ、ステーショナリーも多数発売されている。
タイアップ企画ではオカモトのコンドームのパッケージ、コンビニ「ローソン」の景品、東京立川市を走るバスや携帯電話のデコレーションが登場するなど日本を代表するキャラクターの一つになっている。コンドウさんはサンエックス退社後も、「リラックマ」のイラスト集や絵本を出版してきた。
そんなコンドウさんに11年2月17日、ファンから「リラックマ」がパチスロ機になるのはなぜか、といった質問が「ツイッター」に寄せられた。16日にパチンコ機器関連メーカーのオーイズミがパチスロ機「ハネスロリラックマ」の発表会を行い、それがニュースで流れたからだ。ファン達の間で
「なぜOKされたのでしょか?正直言ってパチスロ化には失望しました。キャラのイメージを大切にしてください!」
といったコンドウさんへの質問や、
「サンエックスに抗議の電話をした。大人のギャンブルにリラたちを使うなと怒りをぶちまけた」
などといった会話が交わされた。
「パチスロ機の設置時期に変更はありません」
コンドウさんは17日、「ツイッター」で、
「私も寝耳に水状態で、正直同じく動揺をしております。ライセンス商品に関しては会社に一任しています。クマのことを好きな皆さんにショックを与えた事、心苦しいです」
と心境を吐露。18日にはブログで経緯を説明した。そこにはこんな事が書かれた。パチスロ機にキャラクターが使われることは全く聞いておらず、ファンからの報告で初めて知った。そして、
「今回のリラックマのイメージとはかけ離れた場所での起用に、正直、作り手の私としましては驚きと戸惑いでいっぱいです。リラックマ版権元には、これまでつくりあげてきたリラックマの世界観を大事に守っていただきたいと本日改めてお願いいたしました」
そしてファンにショックを与えてしまったことを「心苦しい」と謝罪した。
なぜこの様な事態になってしまったのか。サンエックスに問い合わせてみたが、
「この件に関しては何もお話しすることはありません」
ということだった。
コンドウさんの申し出によってパチスロ機の仕様などが変わるのかどうかオーイズミに聞いてみたところ、「リラックマ」のパチスロ機は既に保安電子通信技術協会(保通協)の審査を通っているため、11年4月からの設置には変更がない、ということだった。