投資家保護のため、2010年8月に導入された証拠金倍率(レバレッジ)を50倍以下にする規制を嫌って、海外でFX取引したいと考える個人投資家が増えているようだ。海外には400倍、500倍といった高倍率を提示するFX業者もいて、これを売り物にしている。
「かんたん海外FX」「はじめよう海外FX」などと個人投資家に呼びかける口座開設サポートサービスも登場。しかし、金融商品の国内での勧誘には金融商品取引法に基づく登録が必要で、違法な業者も多く、金融庁は困惑している。
「無登録の違法業者がいる可能性があります」
金融庁は、「インターネットで海外FXのホームページを運営している媒介業者(サービス業者)や、そこに名前がある海外のFX業者の中には、無登録の違法業者がいる可能性があります」(証券課)と指摘する。
海外FXの「媒介業者」は2009年夏ごろから増えていて、実際の利用者も増えているらしい。
ただ、海外FXの利用実態は金融庁も把握しておらず、グーグルやヤフーなどを検索しては媒介業者のサイトをあたり、無登録の場合は直ちに登録するよう促している。
しかし、その後ホームページが削除されたり、別の業者名でサービスを継続していたり、といった例もあり、業者との「いたちごっこ」が続く。
その一方で、違法業者と知りながら、サービスを利用する投資家もいる。国民生活センターには、「海外口座にお金を振り込んだのに、その後、返金がない」といった相談が寄せられるようになってきた。