ネット上であってはならないことが起きてしまった。仙台市内で独り暮らしの金融機関職員男性(24)が、動画サイトで自らの自殺を実況中継したのだ。事前に止めることはできなかったのか。
「ちょ…なんか首吊ってる…」「おいおいおい」「これ、本物じゃないっていってくれ」…
当初は、自殺しないようコメント欄に書き込みが相次ぐ
ユーストリーム上の実況中継を見ていた2ちゃんねらーの書き込みだ。しかし、この24歳男性は、その後、通報者への警察からの連絡や新聞報道などによって、本当に自殺していたことが明らかになった。
男性が2ちゃんねるに「来週自殺します」というスレッドを立てたとみられるのが、2010年11月4日未明。大学の新卒だが、学生時代が楽しかったらしく、選んだのは2ちゃん「大学生活板」だった。
スレでは、なぜか女性へのナンパを2日間続けるなどした後、同7日に自殺と予告された。男性は、スレへの書き込みで、職場でうつ病になったことや、ルックスが悪くて彼女ができないこと、大学の友だちが遠くに行ってしまったこと、家庭が崩壊していることを告白。ねらーの質問に答える形で、大学の友人に比べて就職先が満足できず、ミスが許されない職場の厳しさなどにも悩んで休職しているなどとも打ち明けていた。
そして、7日夜になって、ユーストリームでアパート自室からの中継を始め、人生観を語ったり、自殺を予告したりした。当初は、自殺しないようコメント欄に書き込みが相次いだ。しかし、中継が途切れるなど、自殺するそぶりをみせるだけに見えたらしく、煽るような批判的なコメントも相次ぐように。そんな中で、9日午前5時半ごろにベランダの物干し竿から首を吊る様子をみせ、動かなくなった。
その後、警察などへの通報が相次ぐようになり、産経新聞によると、同日午前8時半ごろに駆けつけた警察官が首を吊って死亡しているのを見つけた。仙台北署では、事件性はなく、男性が自殺したものとみている。