猛暑の影響で収穫が心配されていた国産「マツタケ」が空前の大豊作だ。2010年10月8日‐14日の東京中央卸売市場には2009年同じ時期の2倍超にあたる4トンが入荷し、卸売業者らは「30年ぶりの活況」と沸いている。
国産マツタケは年々収穫を減らしてきて、ここ数年は中国産やカナダ産などが幅を利かせていた。大豊作で、その値段も5~6割と激安。この秋、国産マツタケがようやく庶民の口にも回ってきそうだ。
「これまでに、経験したことがない状況」
東京中央卸売市場によると、10月8‐14日の1週間におけるマツタケの入荷量は4トン。その前週にも3トンが入荷していて、「これまでに、経験したことがない状況」と卸売業者を驚かせている。
大豊作で価格も大きく下げている。8日の週の最高値は0.4キログラムで2万1000円。前週と比較すると、入荷量で1トン増、価格はわずか1週間で1万円値下がりした。
最高値をつけるようなマツタケは主に料亭に入荷するものだが、「そろそろ取引も後半に入っているので品質の落ちるものであれば、キロ3000~5000円程度のものも出回りはじめています」(卸売市場の関係者)と話す。
今夏は連日の猛暑と、9月に入ってからもしばらく残暑が続いたことから、マツタケの生育が心配されていた。2009年が大凶作だったことが不安を増幅させたこともある。
ところが、気温が下がりはじめると台風が来襲。その後に強風も吹いたため、マツタケにとっては絶好の生育条件がそろったとみている。東北地方などは例年9月中旬からがシーズン「本番」で、出足は少々遅れたが、それを補って余りあるほどの増量だ。