大人気アニメ「らき☆すた」を使った町興しで知られる埼玉県久喜市鷲宮が、オタクたちに出会いの場を提供する「オタ婚活」イベントを開催する。
鷲宮商工会がこの告知をしたところホームページのアクセス数がいつもの20倍になるなど大反響になっている。ただ、参加費は男性が8000円なのに対し女性は無料でしかもお土産つきという条件に対し、ネットでは「どんだけ男女差別だ」「オタは趣味以外の無駄なカネは使わない」などといった批判が噴出している。
食事の後に告白タイム
鷲宮商工会青年部が主催する「オタ婚活 鷲宮出会い編~三次元の君に届け~」は2010年11月28日に開催される。40人限定で参加資格は男性が18歳から40歳くらいまでの独身で何かしらのオタクであること。女性は18歳から35歳くらいまでの独身で、オタクもしくはオタクに抵抗がない人、または理解のある人が条件だ。参加者は自己紹介の後に今や「らき☆すた」の聖地となった鷲宮神社に参拝。地元の特産品である蕎麦を使った蕎麦打ち体験などをする。食事の後に告白タイムがありカップルが誕生するという流れだ。
なぜこんなイベントが企画されたかというと、鷲宮は「らき☆すた」主要キャラゆかりの街ということで全国からファンが集まるようになり、2007年から「らき☆すた」を使った町おこしイベントを実施。「らき☆すた」だけでなく、自家用車にアニメキャラなどをペイントした「イタ車」の所有者達が集うなど、今では鷲宮はオタクの聖地だ。
そんなオタク達に商工会関係者が「異性とのお付き合いはどうなのか」と聞いたところ、「出会いが少ない」という返事が返ってきた。それならば出会いの場を作ろうと提案すると、オタク達は大いに喜んだ。これが「オタ婚活」開催のきっかけだという。
「オタ婚活」イベントを商工会のHPで告知したのが10年10月14日。商工会HPは一日500~600程度のアクセス数なのだが、この日は1万アクセスを超える反響があった。ただしネットではこの企画に対する批判が盛り上がっている。特に男性の参加費が8000円で女性は無料、しかもお土産付きということに対するものだった。
一番の不安は「女性に参加していただけるのか」
「まーた、女尊男卑か」
「いくら金の使い方を間違えてるオタクでもこれはない」
「女だけどこういうの同額とれば良いのにね」
などという書き込みが掲示板に出ている。また、イベント自体の批判としては、
「わざわざ現実三次元女に絶望したヲタが集まるのか?」
「いろんなグッズが買える8000円を、婚活(笑)のためにつぎ込まなきゃならんのだ」
というものもある。
商工会の担当者によれば、今回のイベントで一番の心配は「女性に参加して頂けるかどうかです」。「らき☆すた」のイベントの際にも参加しているのは8~9割が男性。「婚活」イベントに女性がいなければ話にならないため、批判が出るのは承知の上で女性を無料にした。蕎麦打ちの体験と、その後の食事会などの費用で参加者1人につき4000円は必要。男女半々の参加を目差しているため、男性が女性の分を負担する計算で算出したのだそうだ。商工会の担当者は、男性の参加費8000円について批判がネットに出ているのは知っている、とし、
「8000円払っても満足していただけるように、例えばお土産を付けるなど、これから色々と考えてイベントがうまくいくように頑張っていきたい」
と話している。参加者の募集は今月20日頃から商工会のホームページ上で行う。