昔懐かしい「ゴールデンバット」や「エコー」「わかば」「しんせい」といった「旧3級品」たばこが、安値を背景にじんわり売れている。マイルドセブンやセブンスターなどが、2010年10月1日からのたぼこ税の増税に伴って410円以上に値上げされたので、200円~250円という安さが際立ったようだ。
旧3級品たばこは、「愛煙家のお年寄りのためのたばこ」「使用している葉の品質が悪い」といったイメージと、健康意識の高まりで、いわゆる「ライト系」たばこが売れ筋となってからは徐々に吸う人が少なくなり、「知る人ぞ知る」存在に追いやられていた。
ニコチン、タール「キツイ」けど
「ゴールデンバット」や「エコー」「わかば」「しんせい」といった銘柄は1960年代後半からハイライトやセブンスターなどが登場するまで、愛煙家には知られた銘柄だった。なかでも「ゴールデンバット」は1906年に発売。じつに明治時代からある銘柄で、ニコチン1.1ミリグラム、タール1.8ミリグラムと「キツイ」、両切りたばこだ。
10月1日からの増税では、マイルドセブンなどの一般のたばこは1本につき約8円74銭から約12円24銭に大幅に引き上げられた。旧3級品も引き上げられたが、1本あたり5円81銭と、一般のたばこの半分以下に抑えられている。
「ゴールデンバット」の新価格は200円。「エコー」と「しんせい」は240円。「わかば」は250円。沖縄限定の旧3級品たばこの「バイオレット」は240円、「ウルマ」は250円で売られている。
かつて、たばこは葉の品質によって1~3級に分類されていたが、1985年のたばこ事業法の施行で廃止された。旧3級品はその名残で、好んで吸っていたお年寄りが少なくなかったことから、一般のたばこより税率を抑えることで販売を継続。ただ、自動販売機で売られていないこともあり、購入する場合は街のたばこ屋や一部のコンビニへ出向くしかない。