米国系のタワーレコードは都心に出店
他方で、ネット音楽配信市場は09年に909億円と各社が配信を一斉に始めた05年から3倍近く伸びている。ただ、足元では伸びが鈍化しており、業界では「少子化の影響だけでなく、若者が音楽ソフトにお金をかけなくなっている」との悲鳴も聞かれる。
こうした中でHMVジャパンは「渋谷」などコストのかかる都心店を閉め、ネット通販にシフトして生き残りを図る。「新星堂」や「WAVE」といった他のリアル店舗勢も経営が悪化し、リストラを余儀なくされているのが実情だ。「TSUTAYA」を展開し、音楽CD販売最大手のカルチュア・コンビエンス・クラブ(CCC)も、売り場縮小を検討している。
こんな中、都心部出店の「逆バリ」に出ているのが、米国系のタワーレコード。2008年にJR東京駅に小型店をオープンさせ、10年秋にも小規模な店舗を複数出店する。タワレコは「店内での実演など、ネットでは味わえない楽しみを提供したい」としている。新人アーティスト発掘オーディションなどの「仕掛け」も用意しており、リアルショップの盛り返しができるか、成果が注目されている。