「人間の国際化をしない限り日本の将来はおかしくなる。第二の大和民族を作ってもよいから、若い外国人に日本にもっと来てもらい、少子化を食い止めることに取り組むべきだ」
中東協力センターの奥田碩(トヨタ自動車相談役)は2010年8月10日、アブダビ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国のホテルで開いた第35回中東協力現地会議の閉幕にあたってこう発言し、日本の将来に警鐘を鳴らした。
同会議では「中東のダイナミズムをいかに日本の成長に取り組むべきか」をテーマにもっぱら日本企業のビジネスチャンス獲得の在り方をめぐって議論してきた。とりわけUAEを中心に韓国が原発受注をはじめ大型プロジェクトの4分の1を受注するなど国際競争が激化している情勢を踏まえ、官民一体型の新会社、国際原子力開発(仮称)の設立など、国際協力再構築に向けてのリーダーシップの発揮など、威勢の良い発言も相次いだ。
しかし元日本経団連会長として日本にもモノ申す立場の奥田会長としては外に向かって国際化するだけでなく、内側の国際化も必要だという意見だ。「日本には規制が多すぎる。どんな政権でも規制緩和に取り組むべきだ」とも付け加えた。