大手電機メーカーが続々と3Dテレビを発売している。2010年4月のパナソニックを皮切りに、ソニーやシャープが製品を投入。7月には東芝と三菱電機も自社モデルを発表し、主要メーカーが出揃った格好だ。
日本は2010年が「3D元年」と言われるが、一方では「3Dテレビは買わない」という声もある。高価格、コンテンツの少なさに加えて、専用メガネをかけるわずらわしさを敬遠する人が少なくないようだ。
7割の人「購入の意向ない」
三菱電機は2010年7月29日、75型の3D対応型テレビを8月21日に発売することを明らかにした。前日の28日には東芝が、3Dテレビ8機種を8月下旬から順次発売すると発表。既に販売しているパナソニック、ソニー、シャープ合わせて5社での競争が今後本格化しそうだ。
09年冬公開の3D映画「アバター」が大ヒットして以降、メーカー各社はこぞって3Dテレビの開発に力を注いだ。世間の注目度は高いが、実際に購入するかといえば話は別のようだ。
購買情報サイト「価格コム」を運営するカカクコムは7月1日、3Dテレビに関する調査の結果を発表した。8957人が回答したこの調査で、「3Dテレビを購入する意向はない」とした人は7割近くに達したのだ。年齢が若いほど購買意欲は下がる。また、これからテレビを買おうと思っている人のうち、3D対応を重視すると答えたのは全体の4分の1程度。半数以上が「あってもなくてもいい」程度だとしている。
ネックは高価格と、視聴に専用メガネが必要なことだ。複数の大手家電量販店に聞くと、3Dテレビで現在人気が高いのは50インチ型で、値段は約35万円。ややサイズの大きい52インチの液晶テレビが20万円台、50インチのプラズマテレビに至っては20万円を切る製品があるのと比べて、いかにも高額だ。またカカクコムの調査では、専用メガネを「3Dテレビを買わない理由」に挙げた人が67.9%で、1位。「2ちゃんねる」でも、「あのメガネを付けて長時間見るって事がキツイな」「眼鏡かけないといけないものが普及するわけない」と否定的なコメントが並ぶ。