予算編成に民主党四苦八苦 省庁による熾烈なぶんどり戦必至

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政調を復活したが、実態は財務省主導に戻った

   閣議決定の27日、民主党の玄葉光一郎政調会長は「見当違いも甚だしい」と怒りをぶちまけた。前日に「形の上で政治主導を見せた」と語った池田元久副財務相に対するもの。「実際は財務省主導」と言わんばかりの発言はマスコミでも叩かれ、他の閣僚からも批判が相次ぎ、野田佳彦財務相が池田氏を厳重注意した。

   菅首相は、仙谷官房長官と玄葉政調会長を中心に政府方針を決めるスタイルを目指しているとされ、財源は財務省が準備した一律カットで捻出する一方、マニフェスト政策などへの配分で政治主導をアピールする考えという。

   そのために党側(政調)から提言したのが特別枠の創設。だが、「1兆円を相当程度に超える」と曖昧な表現になったのは、「与党が求めた2兆円の明示を嫌う財務省に配慮せざるを得なかった」(民主党政調幹部)ためで、玄葉氏は「4月ごろから準備しないと間に合わなかった」とぼやいたという。

   菅首相に批判的な小沢一郎前幹事長に近い議員は、「官邸主導の要のはずだった国家戦略局を断念し、政調を復活させたが、実態は財務省主導に戻った」と皮肉る。首相は予算編成を「仙谷-玄葉ライン」で進める方針といわれるが、国債を10年度の44兆円以下に抑えるとの方針も「法人税減税要求などを考えると、本当に可能なのか」(経済官庁幹部)との声もあり、8月末の要求締め切り、年末の予算案決定に向け、厳しい作業が続く。

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