女子陸上短距離選手の福島千里さん(22)の人気がネットで急上昇している。きっかけはテレビ番組への出演。持ち前のスタイルの良さ、可愛らしい表情に加え、早く走れる理由を「スー」とだけ説明するなど、天然ぶりを爆発させたからだ。インタビューをした元テニスプレイヤーの松岡修造さんは、福島さんを天才肌の人物と評価する一方、あまりの天然ぶりに「スーな人でした」と目を丸くしていた。
福島さんが登場したのは2010年7月26日放送のテレビ朝日系「報道ステーション」。世界で通用するまでに育った福島選手の走り「アメンボー走法」の秘密に松岡さんが迫った。
「前に、前に、前に、前に…でも」
福島さんは北海道出身で子どもの頃から陸上短距離選手として活躍するが、才能が開花したのは08年の日本選手権の100メートル走で優勝してから。その年、日本の女子選手として56年ぶりに北京オリンピックの100メートル走に出場。09年の世界選手権では日本人女子として初めて100メートル走の1次予選を突破した。日本女子の100メートル、200メートル共に日本新記録を持っているのも福島さんだ。
その早さの秘密は頭の位置が上下しない独特な走法。後ろにキックした足が伸びきらないうちに前に出すことで可能になり「アメンボー走法」とも呼ばれる。北海道の練習場を訪ねた松岡さんが福島さんに対し、なぜ早く走れるのかと聞くと、福島さんはニッコリ笑い、暫く時間を置いた後
「とにかく速く走る。スー、みたいに」
と答えた。松岡さんは「全然分かりません」と後ろにのけぞった。走るときに何を一番意識して走るのか質問したところ、福島さんは「前に、前にって思っています」と言った後、急に足踏みを始め、
「前に、前に、前に、前に…でも、考えたことはないんですけど…前に、前に、前に・・・」
さらに、理想の走りを聞かれると、首を右から左に振りながら、
「あーーーっと終わるといいなって。終わっちゃった、みたいな。はやーい。スー」
頭の位置が上下しない「アメンボー走法」だとタイムが早くなる理由については、手を地面と平行に動かしながら、
「やっぱり、こう行ったら100メートルですけど…」
そして、手を上下させ
「こう行ったら、ひゃくなんじゅう…105センチとかになるかもしれないですもん」
とやっぱり意味不明な説明が続き、松岡さんはボー然と立っていた。
「アホカワイイ」などといったあだ名も…
インタビューを終えて帰って来た松岡さんは「報道ステーション」のスタジオで、福島さんを天才肌の人物で感覚が全てという印象を持ったとした後で、
「福島さん、スー、な人でした。正直言って、インタビュー苦労しました」
とキャスターの古舘伊知郎さんに対し泣き言まで出てしまった。
もともと福島さんはスタイルの良さと可愛らしい顔立ち、そして優勝インタビューなどでの天然な受け答えからコアなファンがいた。動画も「ユーチューブ」にアップされていて、
「スポーツ選手でこんなに萌えるのは初めてだ 福島ちゃん最高だな」
「これは まだうまく答えた部類のインタビューだな お願いだから 難しい質問はやめてあげて」
などのコメントが書き込まれていた。今回の「報道ステーション」という全国ネットの番組に登場し、初めて福島さんの人となりに触れた人も多かったようで、また、
「かわいいじゃねぇか! のだめみたいなしゃべりかただな!」
「あのマイペースさが伸び悩まない秘訣なんだろう 実際はしんどい練習してるんだろうけど ストイックさを感じさせない」
などの意見がネットに出ている。また、まるで長嶋茂雄巨人軍名誉監督のようだ、という感想や、「アホカワイイ」などといったあだ名を付ける人も出ている。