女性だってアダルトビデオ観たい ネットなら抵抗なく買えると人気

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   男性のための商品と思われたAV(アダルトビデオ)が20代30代の女性にバカ売れしている。「他人がどんなセックスをしているか知りたい」という女性は増えているが、店で買うのは恥ずかしい。でも、ネットなら抵抗なく購入できる、ということらしい。

   DVDメーカーSILKLABO(シルクラボ)が女性のためのAV制作のプロジェクトを立ち上げたのは2年前。女性向けアダルトグッズ専門店を調査したところ女性にAVが売れていることがわかったからだ。より女性の嗜好に合わせた作品にしようと、スタッフは全員女性にした。

「他人はどんなセックスをしているか知りたい」

   同メーカーは2009年8月に2作品をリリース。一つは女性の理想的な恋愛をドラマ化した「ファインダーの向こうに君がいた」。もう一つはセックスのハウツーもので、オーガズムを得る方法、騎乗位は腰をどのように動かせばいいのかなどを説明した「BODY TALK LESSON」。

   これが発売するやいなや注文が殺到。ネット通販の「アマゾン」ではAVランキング売上げトップになり、売れすぎて品切れになった。

   シルクラボの女性担当者はこう話す。

「女性もAVを観たいし、他人がどんなセックスをしているかAVで知りたいと思っていました。しかし、店で買うには抵抗があり、女性が不快になる内容のAVもありました」

   そこで女性が好むラブストーリー仕立てのAVと、性の知識が得られるハウツーものを考案。AV男優は女性に人気のイケメンを選りすぐった。販売はネットで行い、女性でも抵抗なく買うことが出来るようにした。

   AVは現在、3000枚売れるとヒットとされるが、「ファインダー」は約1万枚。9割以上が女性の購入で20代30代が中心。主婦の購入者も多い。これまで発売したのは3本で、10年8月に2本の新作をリリースする。これも予約が始まっていないにも関わらず発売を心待ちにするネットの書き込みや問い合わせが多数あるのだという。

   一方、ピンク映画上映館にも女性客が増えている。新東宝映画によれば、ピンク映画業界は女性客を増やすため、作家性の高い監督とイケメン俳優を起用し、ラブロマンスありコメディーありの映画を制作している。最近では一般の映画館でピンク映画の特集上映イベントも催されるようになり、イベントに参加する女性客は1割程度だが、それでも「10年前には考えられない程の女性客の入り」だと新東宝映画のプロデューサーは強調する。

幻想を満たしてくれるAVに女性が傾倒する

   福岡市の成人映画館「天神シネマ」は、今年の春から毎週水曜日は「レディスデー!」とし、女性もしくはカップルに限り入場できるようにした。それまで女性客は殆どいなかったが、今では多い日は60席のうち女性客が10人を超える日もある。同映画館では女性はチャレンジ精神が旺盛だとし、

「監督は誰なのか、出演する役者さんは誰なのかを選び来場するケースが目立ちます。中心は20代、30代の女性ですね」

と話している。

   日本大学芸術学部非常勤講師で「女装する女」などの著書がある出版・広告ディレクターの湯山玲子さんは、女性がAVに興味を持ち出したのは、女性にも性欲があり、男性と同じような自慰欲求はあることが社会の中で容認され始めたのがきっかけと見る。

   アンアンなどの若い女性向けの雑誌では、AVといってもおかしくない、女性のためのセクシュアルなDVDが付録に付いて、完売するという時代になっている。加えて、インターネットの発達で、人に知られず容易に入手できるようになったことも、今のAV人気の背景にある。

「男女とも恋愛を経てのリアルセックスという理想型に、面倒くささを感じている。男性は可愛い女の子が際どいプレイを惜しげもなくやってくれる二次元のAVにハマったが、それと同じ事が女性にも起きている。男の性的なリーダーシップが現実的にはどんどん後退している分、セックス幻想を満たしてくれるAVに、女性がより傾倒する傾向がある」

これが湯山さんの分析だ。

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