本当はマスコミをシャットアウトできた?
この対応は、北朝鮮の金正日総書記が5月3日から7日にかけて訪中した時の中国政府の対応とは対照的だ。中国政府のスポークスマンは、金総書記が入国した後も、
「その問題について、提供できる情報はない」(5月4日)
「(北)朝鮮の最高指導者が中国を訪問すれば、適切な時期に情報が発表される」(5月6日)
と「ダンマリ」を決め込み、中国政府が金総書記の訪中を認めたのは、金総書記が帰国した5月7日のことだった。
いわば、日本政府は、「マスコミをシャットアウトするやり方はあったのに、あえて撮らせていた」面があると指摘されても仕方のない状況だ。例えば、金元工作員が羽田空港に到着した際も、飛行機から降りる様子を傘ではなくビニールシートで隠すというやり方もあったはずだ。
ツイッター上では、今回の鳩山前首相の発言に対して、賛同する声も多い。具体的には、多くの報道関係者がいっせいに取材に殺到する「メディアスクラム」について、マスコミを批判する声だ。
一方で、
「一般論としては正しいが、今回の対象の人は、明らかに一般論から外れる」
「一般論からすれば、テロリストをVIP待遇することに違和感がある」
「メディアに情報流してる人もどうかと思う」
と、鳩山前首相に対して批判的な声も多い。
今回の鳩山発言を批判的に取り上げるメディアもある。例えば東京スポーツは「前首相の『一般論』どう考えますか」「鳩山前首相 KYツイッター」と題して、民主党関係者の
「金元工作員の来日は鳩山政権下で進められていたもので、政権浮揚が狙いだった。鳩山氏にしてみれば、別荘も好意で提供したのに思わぬバッシングがおき、よほど腹に据えかねたのでしょう。それでもマスコミに怒りをぶつけても仕方がない。黙っていればいいのにKYとしかいいようがない」
との見方を紹介している。