白米も調理法や食べ方で、低リスクに
フードマネジメントに詳しい静岡県立大大学院の市川陽子准教授は、玄米の低GIについては認めるものの、研究内容を過信すべきではないとの立場だ。
「高血糖を予防するには、GIが低い方が確かに望ましいです。しかし、アメリカ人に当てはまるとしても、日本人もそうだとは必ずしも言えません。遺伝的な体質や食習慣などが違うからです」
玄米は、低GIによる即効性から白米に混ぜるのはいいとしながらも、調理が難しかったり、胃の中で消化しにくかったりするマイナス点も指摘する。
そして、白米でも、調理法や食べ方によって低GIにすることができるというのだ。すし飯にしたり、乳製品と一緒に食べたりすれば、GIが低くなるという研究結果があるからだ。
「メカニズムはよく分かっていませんが、乳製品には、食べ物を分解する酵素を疎外する働きがあるとされています。つまり、糖分に分解するのが遅れるので、それを吸収しにくくなるわけです」
酢の物、ヨーグルトなどのほか、みそ汁、納豆などの食べ物も低GIだとされる。また、食物繊維が豊富な野菜などを食べても、同じことになるという。
「日本人は白米を主食にしてきましたので、そのリスクが高いとなると、混乱が起きてしまいます。白米ご飯を食べながら、おかずでGIを下げるなど、工夫次第で、健康的な食事にできるはずです。しかし、日本では、低GIの調理法や食べ方を続けると、糖尿病のリスクが低くなるという研究がまだありません。これからは、そんなデータを取る研究をしていかないといけないでしょうね」