コンビニの弁当が売れない 敵は「手づくり」か牛丼か

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   コンビニ弁当の売り上げが低迷している。ファストフード店との価格競争、そして上得意だった独身男性が自分で手づくり弁当を持参するようになったことなどが響いたようで、世の節約ムードに負けた形だ。

   もっとも、コンビニ各社も手をこまぬいているわけではない。価格はもちろん、でき立てを用意したり、食材にこだわったりと工夫を凝らして巻き返しを狙う。

残業がなくなって夜間の売り上げダウン

残業が減って、コンビニ弁当買わなくなった?
残業が減って、コンビニ弁当買わなくなった?

   日本フランチャイズチェーン協会(コンビニ大手10社ベース)によると、弁当やおにぎり、デザート類などを含む「日配食品」の売上げは、コンビニの売り上げ全体の33.7%を占めるが、2010年4月は前月比2.6%減。これで15か月連続の減少だ。

   じつは弁当はコンビニの主力商品の一つだ。弁当とともにサラダやデザート、飲み物がいっしょに売れるからで、コンビニ全体の「売り上げを左右する」とまでいう。

   そんなコンビニ弁当の売上げが低迷する原因は、節約ブームによる買い控えや、「弁当男子」の存在があるようだが、ファミリーマートでは「夜間の残業が少なくなったことは見逃せません」とみている。夕食や夜食を買いにコンビニを訪れる若いビジネスパーソンの減少が大きな痛手のようだ。

   同社は「(売り上げは)まだ前年割れしています」と明かすが、芳しくないのは同社ばかりではない。セブン‐イレブンやローソン、ミニストップも厳しさを口にする。

   ここ数年来、安売りを売り物に攻勢をかけるハンバーガーや牛丼などのファストフード店の存在もある。客層がかち合い、ワンコインでおつりがくる牛丼などはコンビニ弁当にとって、かなりの強敵だ。

   価格面では、ミニストップがこれまでの「ワンコイン」(498円)メニューを、09年から100円値下げしたところ、「単価を下げた分金額ベースではまだですが、数量ベースでは戻りました。498円弁当を再投入したこともあって、今月には売上高も戻りそうです」と回復基調に乗ったことを強調する。

チルド弁当や冷凍弁当も登場

   お客は、弁当の品質にも関心を寄せている。防腐剤や添加物の使用を避け、コンビニ大手では弁当をつくってから店舗までの配送時間を気にする人が最近は増えたという。

   そういった「弱点」をカバーしようと始めたのが「eat-in」だ。ローソンは一部の店舗で、焼きたてパンを販売して成果をあげている。持ち帰りが基本だが、一部では店内で食べられて、コーヒーなどと組み合わせた朝食は評判がいい。

   これまでは、でき立てをメニューに並べるコンビニは少なかったが、フライドポテトやチキンのからあげといったホットスナックとともに、温かいまま持ち帰れる調理弁当を売り出したコンビニもある。

   セブン‐イレブンは「最近はお弁当だけでなく、パスタや冷麺、そば類などの売れ行きを合わせれば、むしろ好調です」と話す。同社既存店ベースの売り上げの伸び率は、前年同月比で09年11月がマイナス5.4%だったのに対して、10年4月にはマイナス3.0%にまで縮小してきた。そのけん引役が、力を入れている「チルド弁当」を含む「日配食品」だという。

   一方、ファミリーマートは子会社化したampmのノウハウを生かし、消費者の内食ニーズに応えようと、温められる「冷凍弁当」の販売に挑戦。「使える食材は多く、おいしさを保ったまま手元にお届けできる」と、品質のよさと売上げアップの両方を狙う。

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