「現状は戦争局面」と北朝鮮 韓国の「報復」あれば危ない

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   韓国海軍の哨戒艦「天安」の沈没の原因について、韓国軍と民間の合同調査団が「北朝鮮の魚雷攻撃」と断定したことを受け、北朝鮮側は、「(韓国の制裁措置に対しては)全面戦争を含む強硬措置で応える」「(発表は)日米と共謀・結託した大型謀略劇」などと連日にわたって韓国側を激烈に批判するコメントを発表している。

   一方、韓国側は、国連安全保障理事会の場で北朝鮮に対する制裁措置を行いたい考えだ。過去には、北朝鮮幹部が「ソウルが火の海になる」などと発言し、両国間の緊張が戦争寸前まで高まったこともある。今回はどうなるのか。

「国際社会の注目を引くこと」が目的

   今回の攻撃の背景にあるとみられているのが、2009年11月に黄海上の軍事境界線「北方限界線(NLL)」付近で発生した武力衝突だ。銃撃戦の末、韓国側には死傷者は出なかったものの、北朝鮮側には複数の死傷者と艦艇の損害を出した。北朝鮮側からすれば「惨敗」だ。これに対して「報復」を行い、北朝鮮軍内の士気を高めたいのでは、という見方だ。

   だが、北朝鮮は関与を全面否定し、調査結果に猛反発している。2010年5月20日に韓国側が調査結果を説明する会見は約1時間50分にわたって行われたが、北朝鮮側は会見がスタートしてからわずか30分後に関与を全面否定する声明を発表。韓国側が制裁措置に踏み切った場合は、「全面戦争を含む強硬措置で応える」と警告。翌5月21日の声明でも、調査結果を「大型謀略劇」と非難した。

   「士気を高める」ことが目的だとすれば、「犯行声明」を出して内外にアピールすることが効果的だとの考え方も、場合によってはできそうだ。だが、コリア・レポートの辺真一編集長の見方は、やや違っているようだ。辺編集長は、攻撃の動機については

「報復は、一つの要因としてはあるのでは。軍の士気も高まります。さらに、北朝鮮が実力行使をするという形で、韓国側が主張する北方限界線(NLL)を認めないということを国際社会にアピールする願いがあったのだと思います」

と、報復以外にも、「国際社会の注目を引くこと」ということが目的にあると見ている。

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