吉野家が報道に異例の反論 「敗者のごとき論評間違いだ」

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「独り負け」と言われても仕方のない状況

   だが、文書では、

「4月のセールにつきましても『効果が薄かった』という内容の記事がありましたが、セール期間中の入客数は前週比平均で203.8%でした。また、先月の営業実績は下記の通り(編注: 1店舗あたりの平均売上高が月間760万円)でした」

とセール期間中は客数が倍増したとした上で、

「因みに、売上高についても勝ち負けで敗者のごとき論評ですが、少なくともこれまで吉野家が劣ったことはありません」

とまで書いている。

   だが、吉野家既存店の10年2月期の売上高は、前年同期比で8.4%減少している。4月16日の決算発表会の場でも、松尾俊幸・財務戦略室長が

「上場外食産業の単純平均(編注:08年比で5.7%減)と比べても(売り上げが)ビハインドしていた(下回っていた)ところが、大きな減収の要因だ」

といい、「独り負け」という言葉こそ使わなかったものの、業界平均よりも不振だという事実を認めている。

   さらに、このセール期間を含む10年4月の既存店の実績を見ると、売上高は前年同期比6.9%減、客数は同3.2%減、客単価も3.9%減。一方、すき家の既存店では、客単価こそ10.6%減少しているものの、売上高は23.2%増、客数も37.9%増だ。松屋の既存店も同様で、客単価14%減、売上高5.9%増、客数23.2%増だ。吉野家のセールが、全体の業績をけん引するには至っておらず、やはり「独り負け」と言われても仕方のない状況だ。

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