高橋洋一の民主党ウォッチ
あてにならない民主の公約 「総人件費2割減」どこに消えた

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    民主党公約があてにならないのはまだある。公務員の総人件費の2割カットもその代表だ。民主党の「政権政策Manifesto2009」の中で、「地方分権推進に伴う地方移管、国家公務員の手当・退職金などの水準、定員の見直しなどにより、国家公務員の総人件費を2割削減する」とはっきり書かれている。具体的には、国家公務員の総人件費5.3兆円のうち1.1兆円を削減し、それを新規財源にあてるとした。

2010年度予算では削減努力ゼロ

   ちなみに、2010年度予算でいくら人件費を減らしたのかというと、わずか1404億円。これは、人事院の勧告どおり(月給:マイナス0.22%、ボーナス:マイナス0.35%)の平年度ベースの減で、削減努力はされていない。

   もちろん、あと3年あるというだろう。しかし、一方で、民主党は、天下りを禁止する代わりに、国家公務員が65歳の定年まで働けるようにすると公約している。これまで早期に退職してきた職員を定年まで抱えていくと当然人件費増になる。一定の前提に基づく総務省試算によると、25年度の総人件費は今より最大2割増加するという。

   今の民主党の公約である2割カットは、実は05年のマニフェストから採用されている。それ以前は、「1割以上カット」であった。それが格上げされて「2割」となった。

   その当時、私は経済財政諮問会議特命室でいろいろなペーパーを作っていた。05年のはじめ、郵政民営化、政策金融改革、政府資産改革という政府資産のスリム化の延長線で、公務員総人件費改革も検討せよとの指示を受けていた。そこで、公務員総人件費改革の議論を05年はじめから経済財政諮問会議で取り上げた。

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