米軍普天間基地問題の5月決着が風前の灯となり、鳩山由紀夫首相への風当たりの強さが一段と増している。首相に好意的だった一部週刊誌からも辞任を求める声が出始めた。そんな中、鳩山擁護論を展開している人たちもまだいる。
読売新聞は2010年5月11日付朝刊で、普天間問題について「5月決着 事実上断念」と1面トップ(東京最終版)で伝えた。5月末までの決着を「職を賭して」と明言していた鳩山首相に対し「その政治責任が厳しく問われることは確実だ」と指摘した。産経新聞も同じ日の朝刊で、政府が最終決着を5月末以降に先送りする方針を確認したと報じ、社説にあたる「主張」欄で、「許されぬ首相の逃げ切り」と断じた。
週刊朝日もついに首相退陣求める
厳しい声は週刊誌からも挙がっている。一時は鳩山政権と「蜜月」とささやかれたこともある週刊朝日は、「首相も平野官房長官も即刻退場せよ」(10年5月21日号)とのサブタイトルで、ジャーナリストの上杉隆さんの「普天間問題で怒りの提言」を掲載した。週刊現代(5月22日号)は、「総理の虚言癖にはもうウンザリ」「まもなく退陣表明」などの見出しで首相に対する厳しい空気を伝えている。
なんといっても首相に厳しいのは世論だ。読売新聞の全国世論調査(5月7~9日実施)によると、鳩山内閣支持率は、約1か月前の前回から9ポイントも下がり24%へ下落した。普天間問題の5月決着ができなかった場合に退陣すべきかを問うと、過半数の51%が「退陣すべきだ」と回答した。共同通信の調査(4月28、29日)でも支持率は20.7%(前回比12.3ポイント減)で、どっぷりと「危険水域」だ。
インターネット掲示板2ちゃんねるには、鳩山首相ものの話題を議論するスレッドが数多く立っている。ざっと見た印象の範囲では、首相は袋叩き状態のようだ。