「街興し」の切り札目指す 「地域ブログ」田舎に続々登場

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   地元の生活や出来事、イベントなどの情報を発信する「地域ブログ」が活発になっている。中には5万人が参加し、月間アクセス数(ページビュー)が8000万を超えるサイトも現れた。地元で生活する人達の情報交流の場としてだけでなく、来街者も増加し「街興し」に一役買っているという。

   「地域ブログ」が登場したのは2005年頃から。現在は日本国内で100近くのサイトが運営されている。代表的なものとしては、沖縄県の情報を発信している「てぃーだブログ」、浜松発の静岡情報サイト「はまぞう (HamaZo)」、石川県内灘町商業振興協同組合が加盟・協力店の情報を発信する「さん太のブログ」、和歌山県の村なのに和歌山県のどの市町村とも隣接しない全国唯一の飛び地の村・北山村の「村ぶろ」などがある。 また、2010年2月には奄美群島版サイト「しーま」が開設され、3ヶ月間で400万アクセスと好調な滑り出しになっている。

月間PVが8000万~8900万に拡大

   「地域ブログ」を開設する目的はズバリ「街興し」だ。地元の人が自分達の持つ情報を交換しコミュニティー力を高めながら、全国、そして世界に情報発信しようという。

   自分達の生活を知ってもらい、観光客に呼び掛ける。そして、地元の商品を買ってもらおうという流れになっている。ブログを立ち上げたのは地元の青年や、地方自治体、商店主など様々。山形県の「んだ!ブログ」は地元の老舗漬物店主が始めたが、漬け物の販売促進を狙ったものではなく、「自分達を育ててくれた地元に貢献したいと思った」からだ。

   運営しているのは1人から数人。それぞれ他に仕事を持っていて、いわばボランティア感覚でブログ運営に携わっている。「しーま」を運営するのは、奄美出身の30代の5人。それぞれ独自で奄美関係の情報を発信していたが、それを一箇所に集めることでパワーアップ、奄美の一大コミュニティーの場を作ろうと考えた。ここでは奄美の観光案内や島のイベント、自由参加のブログが掲載されている。「ただいま、眠い。お疲れ様でした」とだけ書かれているものや、「売り出し日には398円で買えた刺身が、一気に値上がり580円」などと地元商店の情報が写真入りで書き込まれていたりする。

   「地域ブログ」の草分け的存在のシーポイントが沖縄で「てぃーだブログ」を開設したのは05年3月。今では月間アクセス数が8000万~8900万に拡大、ブログなど同サイトへの参加者は5万人。このうち約7割が県外の人だ。シーポイント社長の野澤浩樹さんは沖縄でブログを始めた経緯をこう話す。

地元の人のライフラインにもなっている

「美しい景色や物産など沖縄には多いのですが、離れ小島の場合は知ってもらうのが難しい。情報発信するにも広告では相当な費用がかかる。だからブログだったわけです」

   野澤さんは島民に地元の記事を書いてみませんか、カメラマンになってみませんか、と呼び掛けた。次第に賛同者が集まり今ではブログが毎日6000本アップされる。それが日本中の人から読まれるようになり、「あのブログを書いているあの人に会いたい」と観光客の増加にも結びついた。

   また、「てぃーだブログ」は地元の人達のライフライン的な存在にもなっている。地域の行事や生活に関する重要なお知らせが掲載され、「てぃーだブログ」を見て生活のスケジュールを決める人が増えた。また、ブログの更新が止まったりすると「何かあったのではないか?」と家を訪ねたり、電話をかけたりして安否を気遣うようにもなっているという。

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