米軍普天間基地の移設問題をめぐり、鳩山由紀夫首相が総選挙の時に打ち出していた「(移設先は)最低でも県外」という方針は、事実上反故にされることが確実になった。現地からは「公約破り」との声もあがっているが、首相は今になって「発言は党としての公約ではなかった」と主張する始末だ。この問題での鳩山首相の「ウソ」を検証してみた。
鳩山首相は、民主党の代表として総選挙で勝利をおさめる前の09年8月の段階では、街頭演説などで
「基本的には県外、できれば国外」
などと繰り返してしていた。
政権獲得以来「県外」を何度も発言
政権を獲得して首相になった後の9月24日にも、普天間問題について
「基本的な私たちの考え方を変えるつもりはない」
と言明。やはり、「県外、できれば国外」という立場だ。
移転候補地についての「ぶれ」が目立つようになるのは、この後だ。11月14日のオバマ大統領に対する「『トラスト・ミー』発言」を経た12月4日には、「当然のことながら辺野古(への移設案)は生きている」と発言。県内移設の可能性を示唆しだが、11日後の12月15日には、「やはり、辺野古ではない地域を模索する。そして、できれば決めるという状況を何としても作り上げていきたい」と一転、「県外」に含みを持たせた。
年が明けた3月19日には、「県外は難しいけれども、当然沖縄の県民の気持ちからすれば(県外が)望ましいという気持ちを大事にしたい」。迷走はさらに続き、3月31日の党首討論では、「腹案を持ち合わせている。現行案と同等か、より効果のある案だと自信を持っている」と発言。
4月24日には
「辺野古の海が埋め立てられることは自然に対する冒涜」
とまで述べたが、結局5月4日には
「沖縄の皆さんに負担をお願いしなければならない状況であることを、改めて申し上げなければならない」
と県内移設を表明するに至っている。