米軍の攻撃ヘリが、イラクで通信社の記者含む約10名を攻撃する様子が生々しく撮影された機密動画が注目を浴びている。機関砲を撃ちまくって殺す、というショッキングな内容だ。YouTubeでは80万回近く再生され、これを見た世界各国の人から非難のコメントが殺到している。
この動画は、米国の内部告発サイト「WikiLeaks」によって2010年4月5日、公開された。事件は首都バグダッドで、2007年に起きた。米陸軍アパッチ攻撃ヘリの砲撃により、ロイター通信の記者2名を含む約10人が犠牲になったが、その時の様子を、ヘリから白黒で撮影したもので、兵士達の会話も生々しく記録されている。
死亡したのは民間人かテロリストか
ヘリは、上空から市街を歩く10人ほどの集団を確認する。みな普通の服装で、2名ほど武器を持った人物もいるが、それ以外は丸腰だ。パイロットは「5~6人がAK47(自動小銃)を持っている」と報告。発砲許可を求め、「攻撃は自由だ。以上」という答えが返ってくる。
ヘリは攻撃のタイミングを伺うが、その時ビルの建物の影に、筒のようなものを持った人物が隠れる。これを「RPG(ロケットランチャー)を持った奴がいる!」と報告し、「全員やっちまえ」と、上空から機関砲を連射。
砲撃で一体が砂煙だらけになるが、砲撃は続き、「よし、8人始末した」。会話には笑い声も交わり、まるでゲーム感覚だ。路上にはバラバラに飛び散った死体が見られる。
米国の報道などによると、後の調査で、ロイター通信のフォトジャーナリストが持っていたカメラを、パイロットがロケットランチャーと勘違いしたことが分かったという。動画では、その後負傷者を救出するためにやってきたワゴン車を砲撃する様子も記録されている。