東京大学の男子学生は女性に奥手で、性体験率も低い。そんな特集記事が週刊誌に掲載された。数字は本当なのか。なぜこんなに奥手なのか。ネットでも「思った通りの内容だ」「そんなはずはない」などと議論になっている。実際に東大に行って話を聞くとーー。
問題の特集記事は週刊誌「AERA」(2010年3月15日号)の「東大男子の『恋愛偏差値』」。現役学生134人を調査したもので、恋人はいるか、性体験したことはあるか、についてのアンケートと、恋愛にまつわるエピソードなどを紹介。東大男子の「性の今」を報じている。
遊んでいそうな女の子は怖い
掲載されたアンケート結果を見ると、女性と付き合ったことがない男子は28%、性体験がない男子は45%だった。性体験アリは55%。うち、初体験が中学時代が8%、高校時代(浪人中含む)が15%、大学時代が32%。恋人がいる人は37%、募集中が42%、特に欲しいとは思わないが21%となっている。
記事には恋愛エピソードが載っていて、東大男子の出会いで最も多いは複数の大学生が集う「インカレサークル」。ある「インカレ」には東大1年生20人に対し他大学の女子40人が集まった。しかし、「東大男子の恋愛経験が少ないぶん、遊んでいそうな女の子は怖い」。で、化粧が濃い女子学生、髪を明るく染めている女子学生は敬遠される。
彼女ができても、ついつい男の友人とばかり話し、彼女が離れて行ってしまう、といった例もあるのだという。
別の東大男子(21)は彼女が欲しいのだが、これまで女性と付き合ったことも性体験もない。高校時代から恋愛シミュレーションゲームにハマり、結婚したい相手はゲームに登場する女性キャラクターだ。女性経験がないことに焦りはなく、自分は東大だからそれなりのところに就職、結婚できるから不安はない、と話している。
この記事を読んだ人たちは、ネットの掲示板などに
「何かを得るためには何かを捨てねばならぬ」 「理一だけど、とても5分5分には思えんわ そもそも女と話したこともないような人達ばかりだし」
「これからエリートになって入れ食い状態が待ってるのさ」
などと書き込んでいる。
性体験は低年齢化が年々進んでいる。東京都幼・小・中・高・心性教育研究会(都政権)の調査によれば、08年調査の高校3年の男子生徒の経験率は47.3%と、90年の20.7%の倍以上。北海道教委と道学校保健審議会が08年2月13日に発表した「生徒の性に関するアンケート」では、性経験をした高3男子は42%、高3女子は43%。調査以来、初めて男女ともに40%を超えた。
日本性教育協会の「青少年の性行動調査」(05年11月~06年3月)では、大学生男子の性体験率が63・0%。6年ごとに行われる次の調査では大幅に体験率がアップしていることが考えられる。