「人からコンクリートへ」 民主の高速道「やるやる詐欺」

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   民主党の目玉公約の一つであったはずの「高速道路無料化」が迷走している。従来は「道路建設に税金は投入しない」としてきたが、「休日1000円」などの割引をやめ、それで浮いた財源を高速道路建設に回せるようにする法改正が目前に迫っている。首都高速が実質値上げされる可能性も出ている。前原誠司国交相はこれに抵抗しているといわれるが、選挙対策を重視する民主党に押し切られた形で、もはや「人からコンクリートへ」の様相だ。

   ことの始まりは、民主党が09年夏の総選挙に向けて「高速道路無料化」の政策を前面に押し出したのに対抗して、当時の麻生政権が3兆円の予算を付けて「休日1000円高速」を実施したことにある。

高速道路建設のために国費を投じる

   これは道路整備事業財政特別措置法の「利便増進事業」として行われるもので、道路建設には使えない財源だ。民主党もこれまでは、高速道路建設のために国費を投じることには否定的な立場だった。

   ところがここに来て、この方針が覆されることが確定的になりつつある。政府は2010年3月12日、前出の特措法の改正案を閣議決定した。改正案の骨子は、3兆円の一部を、つながっていない高速道路(ミッシングリンク)の建設や、2車線を4車線に広げる工事にもあてられるようになる、というものだ。

   これは、民主党が09年12月に政府に対して行った重点要望を踏まえたもの。要望の内容はこうだった。

「高速道路会社による高速道路整備を推進するため、利便増進事業を抜本的に見直すとともに、いわゆる新直轄事業を取りやめ、これに見合う額を国が高速道路会社に対し支援する」

   簡単に言えば「『1000円高速』の財源の一部を高速道路会社に渡して、会社が道路の整備をする」ということだ。要望は、選挙対策を重視する小沢一郎幹事長の意向を強く反映しているとされる。

   直後は、前原国交相は「党内で全く議論されていない」と猛反発していたものの、法案の閣議決定を直前に控えた3月8日の会見で「方針転換したのか」と問われると、

「転換したというか、党の要望を聞いて、それを制約要因の中でどう実現をするかということを考えた」

と釈明。すっかりトーンダウンしてしまった。

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