新卒「正社員採用なし」約5割 不動産業、卸売業が悪い

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   「正社員の採用は2年連続で約5割の企業が予定していない」――。就職活動中の学生らにショッキングなこんなデータが民間調査会社「帝国データバンク」から発表された。

   2008年秋のリーマン・ショックをきっかけとする世界不況で就職戦線は一転。2010年度の採用でも企業が採用を抑制する「就職氷河期」が続くとみられる。もっとも、景気は09年春に最悪期を脱したとみられ、金融機関や電機メーカーなど大手のリーディングカンパニーの間では2011年春の新卒採用を増やす企業もあり、明るい兆しも見え始めた。

09年度の45.9%からさらに1.6ポイント悪化

   帝国データバンクによると、調査は全国2万1750社を対象に2月中下旬にアンケート形式で行い、1万624社が回答(回答率48.8%)した。回答した企業のうち、2010年度(10年4月~11年3月入社)に正社員(新卒・中途入社)を「採用する予定がない」と答えたのは5050社で47.5%だった。これはリーマン・ショックの直撃を受けた09年度の45.9%から1.6ポイント悪化し、同社が調査を始めた05年2月以降、過去6回の調査では最悪の結果となった。

   かつて「戦後最長の景気回復」が続いていた05年度の「採用予定なし」は21.2%に過ぎず、06年度は25.5%、07年度は25.2%と、雇用環境は落ち着いていたが、リーマン・ショックを機に企業側が採用抑制に転じたのがわかる。

   業界別で「採用予定なし」の割合が高いのは、不動産業の62.0%、卸売業の55.7%で、「正社員採用の厳しさが際立った」という。企業側からは「景気回復の見通しがはっきりしない中、新規採用は望めない」(福岡県の運輸・倉庫業)、「現在の雇用を守るので精一杯」(鳥取県の化学品製造業)などの声が漏れた。

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