「取材外の質問」と不信感を露わ
また、藤田幸久国際局長は、2009年4月に「9.11テロ疑惑・国会追及―オバマ米国は変われるか?」を出版。そのことを紹介した公式サイトでは、同8日の出版記念会に、当時民主党幹事長だった鳩山由紀夫氏らが出席したことを報告している。さらに、10年1月22日号の週刊朝日でも、アメリカは犯人を特定しておらず、ビル倒壊の原因を再調査すべきだと主張していた。
藤田氏は、同時多発テロの「陰謀論者」というのは本当なのか。
国会事務所の秘書は、取材に対し、藤田氏のコメント文書を送ってきた。それによると、9.11が陰謀だと結論したこともなければ、ビル爆破などと断定したことはなく、インタビュー後の雑談でも明確に言ったとしている。「むしろ、犠牲者家族などの支援やアフガニスタン戦争や人道援助の現場から、『テロとの戦い』の原点の検証が必要との立場から国会質問などを行って来た、ことを紹介した」という。
反米志向との指摘については、「米軍元捕虜の支援活動を含め、アメリカ各界に友人も多く、日米の懸け橋作りに長年努力してきた」と反論している。
インタビューは、移民受け入れという別のテーマだったといい、同時テロについては、「取材外の質問として応対していた」と編集委員への不信感を露わにしている。最後に、記事では肩書きも間違っていたなどとして、「事実を歪曲した扇動的報道と断ぜざるを得ない」と主張している。