35歳で年収300万以下 団塊ジュニアの苦難続き人生

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   「35歳の年収は、10年前より200万円下がった」。2009年12月に発売された書籍『"35歳" を救え』(阪急コミュニケーションズ刊)が示した「現実」だ。低い年収で結婚をためらう男性、住宅ローンが支払えなくなり生活破綻する家庭。大学卒業時に直面した「就職氷河期」以来、団塊ジュニアは苦難の人生が続いている。

「年収210万 35歳 今は老後が不安でしかたない…」
「年240かな。もちろん嫁も子供も彼女も無し。来年35歳」
「社内SE 年収300万 独身 労働時間が長すぎて『生きる』時間がない」

   インターネット掲示板「2ちゃんねる」には、「35歳・年収300万以下」のユーザーによる嘆きのコメントが並ぶ。「団塊ジュニア」と呼ばれる35歳の人口は、およそ200万人。

「手取り20万で結婚していいのか」

   『"35歳" を救え』にも掲載されている、総務省などの調査を基にした統計によると、30~34歳男性の所得分布が平成9年では年収500~699万円が最も高い割合を示していたが、平成19年ではピークが300~399万円まで下がった。勤務先の業績不振で年収が100万円以上下がった男性、夫の会社の倒産で収入が激減し、子ども3人を育てながら週5日の深夜アルバイトに出る女性――。『"35歳" を救え』には、悲惨な事例が描かれている。

   ネットの質問サイトにも、不安の声が寄せられている。「発言小町」には、35歳会社員の男性が、「結婚したい気はありますが、安月給で手取りが20~25万。見合いするにも相手に申し訳ない気持ちになります」と打ち明け、「安月給でも結婚していいのか?」と疑問を投げかけた。出産を控えた29歳女性からは、33歳の夫が契約社員から正社員に昇格したものの、基本給が16万円程度に下がり、不安を募らせた。また、「夫が昇給しない」というトピックスでは、29歳妻は同じ年の夫について、「手取りは18万円、勤続7年で昇給は1度きり。昇進した場合は残業代が出なくなるため、手取りとしては今より給料が減るそうです」と書き込んだ。

   35歳前後の世代は就職氷河期に見舞われ、新卒でも非正規採用が続出した。何とか正社員になった人も、今度は長引く不況で会社の業績が不振に陥り、年収に影響が出てきた。特に最近顕著なのが、ボーナスなど一時金カットによる年収減だ。連合総合生活開発研究所(連合総研)・龍井葉二副所長は、「住宅ローンの返済に一時金を回す人が多い。ところが、一時金カットで支払いの当てがなくなり、何とか返済を続けようと高金利のお金に手を出した挙句に自己破産、というケースも出ています」と話す。

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