「2ちゃんねる」元管理人の西村博之(ひろゆき)さんが、ライブドアのインタビューで、「J-CASTニュースを買収したらどうか」とライブドアに提案した。ライブドアは今後、個人やオピニオンのブログを充実し、新聞やテレビに対抗できる情報を発信する、としており、そんな戦略に対する発言だった。
ライブドアは誕生10周年特別企画として、自社のサイト上に縁の深い10人のインタビューを掲載した。元社長の堀江貴文さんや、サイバーエージェント社長の藤田晋さん、アルファブロガーの小飼弾さんなどが登場、その中の一人が2009年12月25日付けで登場したひろゆきさん。今後のライブドアの戦略についても意見を述べた。
「ブログを新聞やテレビに対抗するメディアにしたい」
ひろゆきさんは、ライブドアのサービスの中で評価しているものは何か、と質問されると、「livedoor Blog」を例に出し、技術力が高く、使い勝手が良いと答えた。そして、ライブドアはインタビューの中で、今後はブログ関連を一層強化していく、と語った。ブログ閲覧サイト「BLOGOS(ブロゴス)」 や「livedoor Blog」などを使って、個人やオピニオンが提供するニュースや情報を積極的に発信する。つまり、
「ブログを新聞やテレビにも対抗しうるメディアにしていこう」
というのだ。ライブドア広報は、
「ブログをメディアとして位置付け、従来のマスメディアとはまた違ったニュースのあり方、情報発信の流れを創りたい。それによって、新聞やテレビの対抗馬になるのではないか」
と説明した。
するとひろゆきさんは、
「ライブドアはメディアになるんですか。だったらJ-CASTでも買収したらいいじゃないですか」
と語った。ブログを書かせたり、収集したりする手間を考えれば「J-CASTニュース」を買収した方が手っ取り早い、ということのようだ。
ひろゆきさんの提案に対し、ライブドアは、ブログのトラフィックは大きく、システムのASP貸しもしているためブログビジネスは重要だと反論した。
メディアの買収は難しい
ひろゆきさんが語ったように、「J-CASTニュース」のような既存のネットメディアを傘下にすれば、ライブドアの発信力が増えるのは間違いない。本当に買収を考えているのだろうか。同社広報に問い合わせてみたところ、
「ネットメディアを買収するか、しないかについては、まだ何も決まっていません」
ということだった。
「J-CASTニュース」を運営するジェイ・キャストの蜷川真夫社長は、
「J-CASTニュースを評価頂いたとすれば嬉しいのだが、うちを買収したいと考えている会社があれば、逆に、私共が買収したいですね」
と冗談混じりに「反撃」。仮に買収の話があったとしても、「メディアは極めて属人的なもので、機械的システムやブランドを買収するのとは勝手が違い、誰もが経営できるものではなく、ニュースに携わってきた社員が退社することなどが考えられるため、立ち行かなくなるだろう」と述べている。