だ液が減って口の中が乾く「ドライマウス」が、20~40歳代の女性に広がっている。原因はいろいろあるが、働く女子の場合、「ストレス」と関係しているようだ。だ液が少なくなると虫歯や歯周病にかかりやすくなるだけでなく、口臭を引き起こすとあって、若い女性の間で無視できない心配事になっている。
「口の中が乾く」「口の中がねばねばする」「唇がひび割れて舌がひりひりと痛む」「食べ物が飲み込みにくい」「舌がもつれて話しづらい」といった自覚症状があり、1つでも当てはまるならドライマウスの可能性がありそうだ。
ドライアイになっている人は、ドライマウスになりやすい
ドライマウスとは、だ液の量が減って、口の中が乾く症状をいう。だ液には潤いを与えるだけでなく、食べかすを洗い流す作用や抗菌作用もある。だ液が少なくなると、口の中の雑菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病の原因になる。また、悪臭を発する雑菌が増えるので、大半の人に口臭トラブルがある。口臭に悩んでいたら、実はドライマウスだった、というケースも多いそうだ。
だ液は加齢とともに減っていく。男性は少しずつ減るのに対し、女性は更年期の頃にガクッと減る。そのためドライマウスを気にするのは更年期の女性に多い。しかし最近は若い女性にも増えている。
ドライマウスの患者を診ている銀座池渕歯科(東京都中央区)。患者の男女比は3:7で、圧倒的に女性が多い。池渕剛院長は、
「7、8年前は50、60歳代の女性の患者が多かったですが、20~40歳代の女性が徐々に増えていて、1.5倍くらいになっています」
と話している。
ドライマウスの原因は、更年期や加齢のほかにもいろいろある。ストレスで自律神経の交感神経が強く働き、だ液の分泌が抑制される。不規則な生活、よく噛まない食生活、喫煙などでも、だ液が少なくなる。抗うつ剤、睡眠薬、降圧剤など薬の副作用も考えられる。
池渕院長は、
「若い女性の場合、仕事や人間関係のストレスが一番考えられます。また、目が乾くドライアイと同じように自律神経の疾患で起こりますので、パソコンに長時間向かう仕事をしてドライアイになっている人は、ドライマウスになりやすくなります」
と話している。